人目を惹くブースデザインとは?
展示会の会場には沢山のブースが並んでいます。「東京ビッグサイト」「幕張メッセ」などの大きな会場ともなればその数も100以上!そんな中で一人でも多くの来場者に興味を持ってもらう為にはどうすれば良いでしょう。
一つに「ブースデザインの良さ」があげられると思います。高額予算を費やした広くて豪華なブースであれば来場者の目も惹けるはず。しかしそれだけでしょうか?
大切なのはアイディアとコンセプトを伝えることです。今回は来場者の心に訴えかけるようなブースデザインをしていた出展社にそのコンセプトを伺ってまいりました。
利用シーン提案しよう
たとえば包丁が使われるのはどんなシーンでしょう?多くの人は「料理をする時」と答えます。そう、馴染みのある「包丁」ならば利用方法もすぐわかります。しかし、初めて世にでる新製品や新しいデザイン等はそうではありません。「カッコいい、かわいい」など外観の美しさだけでなく、来場者に「どう使うのか、どんなメリットがあるのか」を理解してもらいたいものです。
これをブースデザインで上手に表現していたのが、オフィス家具制作・インテリアデザインの株式会社岡村製作所。コンセプトは近年海外で積極的に取り入れられている「オープンラボ」。壁を取り払い、研究者同士のコミュニケーションを深める事によって生産性を高める効果があるオープンラボは、日本でもこれから増えていくであろう新しい研究所のスタイルです。
新しい利用シーンを提案するブースなら、きっと心に残るものになるでしょう。そこから、自社を中心とした新たな市場が生まれるのなら、とても効率的なPR手法だと言えます。

- ブース外観
- JASIS2014の株式会社岡村製作所ブース

- 思考スペース
- 集中してアイディアを出すスペース

- 研究スペース
- 専用機器を並べ研究に取り組むスペース

- 議論スペース
- 研究結果等について話し合うスペース
五感で感じてもらおう
来場者が展示会で見たことをすべて記憶しておくのは不可能です。つまり出展の際は、来場者の心に強く残る「インパクト」が鍵となります。しかし「インパクト」とは何でしょうか。もちろん「製品やサービスの価値」もあるでしょう。しかし、ブースデザインを工夫することで、「インパクト」もデザイン可能なんです。観光客を増加のためにPRするカナダ観光局のブースを例に考えてみます。
「カナダを体験する」というコンセプトによってデザインされたブース。世界二位の敷地面積を誇る広大なカナダを、わずか4小間のスペースで表現。しかし「まるで現地にいるような感覚」を与えてくれる素晴らしいブースだと感じます。
内部には、来場者の想像力を掻き立てる仕掛けが多数施されています。①カナダに生息する動物を等身大のパネル。②大自然や観光地を映像。③現地にいるかのような視点で撮られた写真等。これらによって来場者は「カナダを体験」することができたのです。
出展した以上、ただ製品を並べて見てもらうだけではもったいない。コンセプトにもとづき、五感で体験できる仕掛けを用意することで、より「インパクト」のあるPRができるのです。

- ブース外観
- ツーリズムEXPO2014のカナダ観光局ブース

- 等身大パネル
- 迫力ある野生動物を体感

- モニタースコープ
- 音と映像でカナダの広大な自然を体感

- 旅の写真
- 旅行者の目線で撮影された写真でツアーを体感
オリジナリティを大切に
展示会は基本的に同じ業界の企業が集まる場です。競合他社の出展も多いため、自社の強みや独自性を来場者にわかりやすく伝えることが差別化のポイントとなります。では、あらゆるジャンルに対応した展示会ブースデザインの提案・設計をする株式会社コンバートコミュニケーションズを例にオリジナリティについて考えてみましょう。
PRするのは、搬入・設計コストをおさえる「段-board」という強化ダンボールで作られたブース。初心者でもすぐ組み立てられて軽トラック一台あれば十分とのこと。会場には絶対存在しないであろう「屋敷」をイメージしたデザインは、ひときわ異彩を放ち、多くの注目を集めることに成功していました。
「いかに優れた製品でも、他社と同じ様なブースで出店していたら誰にも見てもらえない。ブースデザインで製品の価値をさらに尖らせることが大事なんです」と担当者は強く話します。このノウハウを上手に利用し、来場者の注目を集める「オリジナリティ性のあるブース」を考えてみましょう。

- 紙のブース
- 組み立て、収納を効率よくカンタンに

- 屋敷風なデザイン
- 他社と差別化して人目を惹く
まとめ
出展の際に大事にすべきことは、頭で分かっていても実現するのは意外と困難。そのため、ブースの「コンセプト・アイディア」などを全て業者に丸投げという企業も少なくないようです。高額な費用を要する年に数回の大きなPRの場。自社製品をもう一度見直し、来場者にもっと伝わる表現方法はないか考えてみましょう。貴社のサービスや製品の価値が鮮明に来場者に伝わることで、もっと大きな販売促進効果が期待できると思います。