展示会レポート 最先端IT・エレクトロニクス総合展 CEATEC JAPAN 2014 日時:2014年10月7日(火)~10月11日(土)

CEATEC JAPAN 2014とは

IT・エレクトロニクスの最先端技術を提案し続ける大規模展示会

10月7日から11日までの5日間にかけて、CEATEC JAPAN(Combined Exhibition of Advanced Technologies)2014が千葉幕張メッセにて行われました。本年度の来場者数は150,912名。事前のニュースでは例年に比べ、出展社の数がやや減少していると言われていましたが結果として、昨対比で約1万人来場者が増加。

CEATEC JAPAN2014では最新の技術を駆使した製品が数多く並んでいます。同時に、次の時代を提唱するセミナー、カンファレンスも会場内の特設ブースで行われ会場は大きな賑わいを見せていました。最先端のIT・エレクトロニクス技術の展示は勿論、それを支える最先端の電子部品・デバイスの展示も揃いこれまでより更に深みが増しました。これらの製品は私たちの社会・生活・産業を見据えた製品であり近い将来、当たり前の技術として認知されていくでしょう。

CEATEC JAPANの様子CEATEC JAPANの様子

「NEXT – 夢を生み出し、未来を描け」

「NEXT – 夢を生み出し、未来を描け」。
CEATEC JAPAN 2014の開催テーマは業界において「最先端の技術とイノベーションの集結」を目的として決定されました。このテーマに共感し、集結した出展社数は547社/団体を記録しています。数多くの後援、協賛、パートナーに支えられCEATEC JAPAN 2014は行われました。

歴史を遡っていくと前身である「エレクトロニクスショー」、「COM JAPAN」をあわせると20年あまりの長い歴史があります。この二つの展示会が統合し生まれたのがCEATEC JAPANです。テーマの通り、常に先の未来を見据えて展示会を続けてきた結果がCEATEC JAPANが毎回賑わう最も大きな理由でしょう。

次のトレンドを見据えた2つの企画と「NEXTイノベーションプラザ」

業界全体の動きを見据え、未来社会を意識した提案を、2つのステージと特別企画展示にて紹介していました。

「ライフ&ソサエティ」ステージのブース
「ライフ&ソサエティ」ステージ

明日の暮らしと社会システムを支える最先端技術を幅広く展示・紹介するステージ。次世代の映像技術や家電用システム、最新モバイルコミュニケーションで人々の生活をより豊かで快適にする企業が出展。

「キーテクノロジー」ステージのブース
「キーテクノロジー」ステージ

次世代のイノベーションを支える製品を展示していたのがキーテクノロジーステージ。
社会インフラを支える省エネ技術、自動車の電装化、製品機能をコントロールするデバイス、医療・福祉向け各種デバイスなどの世界最先端の高機能電子部品が展示。

「NEXTイノベーションプラザ」プレゼンテーションステージ
特別企画展示「NEXTイノベーションプラザ」

業界において様々な研究開発を行っているエンジニア達が集まるCEATEC JAPANという場を活かし交流を深め新たなビジネスの場を創出する事を目的としたフォーラム、それが「NEXTイノベーションプラザ」です。ベンチャー企業によるプレゼンテーションステージを用意し、次世代のテクノロジーの紹介の場として企業同士が交流が見られました。

総務大臣賞、経済産業大臣賞の授与「CREATEC AWARD」

優れたイノベーション力と業界への発展に貢献した企業には、その栄誉をたたえ賞が授与されます。
総務大臣賞、経済産業大臣賞に加え、4部門で各グランプリが選考されます。

表彰の種類
  • 総務大臣賞(1点)
  • 経済産業大臣賞(1点)
  • 部門賞(各部門グランプリ1点、準グランプリ1~2点)
    • (1)ライフスタイル・イノベーション部門
    • (2)ソーシャル・イノベーション部門
    • (3)テクノロジ・イノベーション部門
    • (4)グリーン・イノベーション部門
  • 審査委員特別賞(1点)

出展社インタビュー

”自動運転”社会に向けた未来のカーライフを提案– パイオニア株式会社 –

AR HUD(ヘッドアップディスプレイ)
パイオニアの担当者

出展コンセプトは「コネクティッド化(つなげる)」。さまざまなビッグデータと新しい技術をつなげることで提案される、新しいカーエレクトロにニクス事業について大きく展示展開しています。

中でも、会場中央に提案されたレーザー光源採用のAR HUD(ヘッドアップディスプレイ)は、フロントガラスの前方約5m先に、ドライバーが運転時に必要な情報をわかりやすく映し出すことができるので、少ない視線移動で直感的に情報を把握できます。この技術を開発したのはパイオニア社が世界初!「競合他社との差別化を常日頃から考え、長い年月をかけて数多くの世界初を生み出してきました。」と担当者は自信たっぷり。

メインとなるカーエレクトロニクス関連製品以外にも、ハイエンドオーディオ、有機EL照明パネル、シースループロジェクション等を出展しており、音・映像・情報が持つ無限の可能性を信じ続けるパイオニア社ならではの提案といえるでしょう。

ビーコンを通じて街のあらゆる情報の取得– ベイシスイノベーション株式会社 –

beaconnect(ビーコネクト)
ベイシスイノベーションの担当者

O2Oというオンラインとオフラインをつなぐマーケティング手法の発達と共に、街のあらゆる場所に「ビーコン」と呼ばれる端末が置かれるようになりました。ベイシスイノベーション社は、そんなビーコンを利用してあらゆる情報を取得できるサービス「beaconnect(ビーコネクト)」を開発。

例えばビーコンの設置しているレストランに行った時など、スマートフォンに専用アプリをインストールしておくことで、そのお店が発信しているポイント情報やクーポン等を受け取ることができます。さらにはアプリと共にビーコン情報を受け取ってくれる「BLEレシーバー」や取得情報の管理システムも提供。

「来場者も段々増え、ビーコンが徐々に浸透してきているのを実感します」と、確かな手応を感じているとのことでした。

未来の駅サービスを実現!駅案内ロボットの開発– 日本信号株式会社 –

駅案内ロボット
日本信号株式会社 の担当者

1928年に鉄道信号技術の国産化の発展に伴い誕生した日本信号株式会社はこれまでに鉄道、道路信号、改札機、券売機等を開発してきた企業です。そんな日本信号社が提案するのは、駅利用者の悩み事を解決するロボット。

使い方もカンタンで、なんと「話しかける」だけで答えを教えてくれるんです。「切符売り場を教えて」と声をかければ、瞬時に目的地までの地図を照会。また専用アプリケーションをダウンロードしたスマートフォンをかざせば、地図もダウンロードできる優秀なロボットです。

一年後にはテスト利用を開始し、利用者の意見を聞いて機能のブラッシュアップを行うとのこと。「利用者の方々から、どのような反応が返ってくるかが楽しみです」と担当者は嬉しそうに話してくれました。

パノラマ技術を作成から更新までお手軽に– 株式会社メディアス –

めでぃパノ
メディアスの担当者

株式会社メディアスが提案する「めでぃパノ」。インターネットから専用サイトにアクセスするだけで、パノラマの編集・管理をかんたんに行うASP型サービスです。パノラマ作成と聞くと、複雑な操作がありそうに思うかもしれませんがご安心下さい!お手持ちのスマートフォンやタブレットから写真をアップロードして登録するだけ。誰でも簡単にプロのようなパノラマ空間を作ることができます。すでにレストランやホテルなど、ビジネスシーンでの活用が期待されています。

利用する為にかかる費用も初回契約時の20,000円と、ランニングコストが月額3,000円と驚きのロープライス。なんと最大5枚、パノラマを作成する事が可能です。「気軽に空間表現が出来るようなサービスを作りたかった」と社長の室崎氏は力強く語ってくれました。