<展示会レポート>音と映像と通信を集めた大規模展示会 INTER BEE 2014 期間:2014年11月19日(水)~2014年11月21日(金)

国内最大規模の音響・照明・放送機器を集めたプロフェッショナル展

過去最多出展社数977社

2014年11月19日(水)から21日(金)まで幕張メッセで行われた音、映像、通信に特化した専門展「INTER BEE2014」。出展社の数は全部で977社、1,773小間数を記録しています。それに比例するように来場者数も3日間で37,959人に増加。出展社数、来場者数ともに過去最多数となり、大成功をおさめました。

INTER BEEは電子情報技術産業協会が国際放送機器展という名前で1965年からスタートし、今回で50回目。「映像・放送関連機材部門」「プロオーディオ部門」「プロライティング部門」「ICT/クロスメディア部門」の4部門で構成され、放送関係者をはじめとし、各関連メーカー、サービス事業者、コンテンツビジネス関係者にクリエイターなどが一堂に介する専門展へと進化を遂げてきました。さらに、海外からも音や映像の専門家を招集するなど、世界の最新動向を日本にいながら知ることが出来る魅力もあります。

INTER BEE 2014の会場INTER BEEは今回で50周年

最新機器・技術を体験して楽しむ INTER BEE EXPERIENCE

ユーザーが体験を通じて製品・技術・情報をより効果的に触れる事の出来る「INTER BEE EXPERIENCE」という企画が今回から新たに立ち上がりました。

第一部では音響各社による吊り下げラインアレイスピーカーの体験デモンストレーション。コンサート、イベント会場に近い環境での視聴を実現しました。第二部では国内外から注目を集めるクリエイター集団「ライゾマティクス」との共同制作によるライブエンターテイメントを実現。VJによる映像パフォーマンス、照明によって照らしだされるステージ、舞うダンサー、音を演出するDJが集まるショーとなり会場は大きな盛り上がりをみせていました。

進化していくメディア業界を探るINTER BEE CONNECTED

INTER BEE CONNECTED

メディアコミュニケーションやデジタルマーケティングについて出展社と来場者を繋ぐ企画、それが「INTER BEE CONNECTED」です。

集まるのは映像・報道関係者から広告主やテレビ局の営業担当などの幅広い層です。USにおけるメディア視聴動向、視聴率計測の最新トレンドから広告ビジネス、ローカル局のこれからの動き等、テレビというメディアをあらゆる切り口から語るトークセッションが3日間にわたって開催。

出展社インタビュー

歴史が培った唯一無二の音響を体感– 株式会社マーチンオーディオジャパン –

DD12
マーチンオーディオジャパンの担当者

創業から43年間、スピーカーを作り続けてきたマーチンオーディオ社。その日本法人にあたる同社は、業務用のハイエンドモデルを出展。中でもコンパクトながら最大のパフォーマンスを発揮する「DD12」が今回の主力製品です。ディファレンシャル・ディスパーション・テクノロジーという最新技術を導入し、環境に左右されずどこに設置しても常に均一なサウンドを体感出来るとのこと。更に塗装にもこだわっており、ハードウレタンコーティングを施す事により雨が降りつける屋外での使用も可能にしている。

「PAさんがオペレートしているサウンドを全席にお届けする製品です。」主にコンサートホール、市民会館等で使用される同社製品にのコンセプトを唐渡代表が語ってくれました。

動画の保守・管理・運用の最適化を実現– ブライトコーブ株式会社 –

Video Cloud
ブライトコーブの担当者

アメリカはボストンに本社をかまえるブライトコーブ社はこれまでにあらゆる動画に関連したサービスを提供してきました。中でも「Video Cloud」が今回の一押し製品です。

「2020年のオリンピックに向けて動画視聴は絶対増えます。」担当者がそう語るように近年多くの企業がPR用の動画を作り、顧客とのエンゲージメントを高めようとしています。しかしながら動画ライブラリの増加やあらゆるデバイス向けの対応を考えていくと安価なプラットフォームでは必要な機能が備わっていなかったり保守が面倒だったりと問題も多数。「Video Cloud」をプラットフォームにした場合、全コンテンツの一括管理やエンコード時間の大幅な短縮、プレーヤーの色、スタイルを簡単に変更が可能。痒い所に手が届くサービスとしてGM社やPUMA社といった世界の名だたる企業からテレビ業界、ポータル、ECなどあらゆる業界からの支持を得て今注目を浴びているサービスです。

LEDで照明業界に革命を!– 株式会社日本シアタサービス –

J-STAR
日本シアタサービスの担当者

照明・音響機器のレンタル、販売からイベントの舞台技術やホール・劇場の施設管理とイベントに特化した技術を持つのが日本シアタサービス社。今回のINTER BEEでは照明部門がの出展となりました。展示された照明機器には全てLEDが使用されていて、中でもJ-STARという製品が今回の一押しの製品です。

通常、舞台照明機器のLED化には設備改修等で多額の予算が必要になりますが当製品はスポットライトを変えるだけ。LEDでは難しいとされてきたフェードイン・フェードアウトも可能。また、ハロゲン球の500W相当の明るさを僅か80Wで実現し電気の基本契約料金を下げる事も出来る優れものです。発売からまだ1年も経っていない為、これからの活躍に期待が持てそうです。

「昨年よりホテル、ホールの関係者からたくさん声をかけられます。」狙ったターゲット層にきちんと届けられていると担当者は実感しているようでした。

あらゆるサイズのディスプレイを設置スタイルに– 株式会社映像センター –

CHIEF製品
株式会社映像センターの担当者

映像機器の販売・レンタルをメインに事業を行ってきた映像センター社は今回、製品輸入販売事業にて取り扱う「CHIEF」ブランドとして出展。同社は2009年にアメリカのCHIEF社とエクスクルーシブ契約を結び日本唯一のCHIEF代理店として輸入販売をスタート。いわゆる映像機器の周辺機器に該当するCHIEFの製品はPCなどのディスプレイを取り付けられるアームやスタンドをイメージするとわかりやすいかと思います。非常にシンプルな作りになっていて素人でも工具なしで設置、調節が可能。更に出荷時には独立して結合されたパーツが多いため、少人数でスムーズに組み立て設置が出来ます。

「まずはCHIEFブランドを広く認知させたいです。」担当者がそう語るようにここ数年特にCHIEF製品に力を入れていて、当展でも映像センターとしてではなくCHIEFとして出展しその魅力をプレゼンしていました。

4Kの最新映像技術に対応したものづくり– 共信コミュニケーションズ株式会社 –

SGO MISTIKA
共信コミュニケーションズの担当者

共信電気として1961年にスタートし、2004年5月に放送業務用機器販売を目的に新たに設立されたのが共信コミュニケーションズ社です。放送技術の進化と共に成長してきた同社が今注目するのが4k技術。4kとは表示パネルの画素数がフルハイビジョンの4倍ある高画質化を実現した技術を指し、近年では4kテレビなどで話題になっています。同社が今回進める製品はそんな4K対応製品向けの映像編集を可能にするソフトウェア「SGO MISTIKA」。オンライン編集、VFX、カラーグレーディング等の機能を一つのシステムにおさめる。更にリアルタイム編集を強く意識したユーザーインターフェースは、よりアーティスティックな表現を実現する事が可能です。

「機材の選定フェーズにいるお客様が目立ちました。」と担当者は話してくれました。導入を検討する企業が増える中、一般に4Kが普及するのもそう遠い未来ではないのでしょう。